無濾過 生 原酒って何?

2010年02月09日

 素人による日本酒の基礎講座です。

①無濾過とは・・・

 日本酒は税法上、米と米麹及び水を原料として発酵させて濾(こ)したもの
と定義されています。
濾すとは、醪(もろみ)を布製の袋にいれて酒と酒粕に分ける作業のことです。
濾してないものを「どぶろく」といいます。
濾した直後の酒は薄く白濁しています。「おりがらみ」というのは、この状態の酒です。
この白濁はしばらくすると沈殿しますので、その上澄みだけをとります。(滓引き)
この状態のでは、酒は黄金色をしています。そこに活性炭の粉を入れて無色透明に近づけ、雑味を消す作業を炭素濾過といいます。

無濾過とは濁り酒のことではなく、この炭素濾過を行っていない酒という意味なのです。
多少の雑味や異臭は炭素濾過を行うことで誤魔化せるので、無濾過の酒はきちんと醸した自信の表れともとれます。


②生とは・・・

日本酒は麹の酵素が米のデンプンをブドウ糖に変え、それを酵母がアルコールと炭酸ガスに分解します。(これを並行複発酵といいます)

通常は滓引きしたあとで60℃前後で加熱殺菌して、まだ酒の中に残っている酵素や酵母の活動を止めます。その後、酒蔵の中で貯蔵して出荷時(瓶詰め)にもう一度、合計2回加熱します。酒の状態を安定させ劣化を防ぐのがその目的です。
とは、この2回の加熱殺菌を行っていない酒のことです。

生肉や寿司屋の柵取りしたネタをイメージして下さい。熟成して旨味が増す反面、保存状態が悪いと腐ってしまう危険があります。(ですから生の酒は普通は冷蔵保存します)


③原酒とは・・・

日本酒は並行複発酵を行うため、20度近いアルコール度数があります。
通常は出荷前に加水(割り水)して15~17度、飲みやすくするために12~14度にする場合もあります。
この加水していない酒を原酒といいます。

無濾過 生 原酒ってそういう酒です。産まれたばかりの赤ん坊みたいな状態です。

ですから、よほどしっかりと造った酒でない限り常温で保存するということは確実に劣化して不味くなる可能性が高いのです。

開運の口開け・味見まであと5日。ドキドキしています。
無濾過 生 原酒って何?
日本酒の造りについてはこの本の監修者上原浩氏の「純米酒を極める」(光文社新書)に詳しく書いてあります。興味のある方はぜひ一読を!



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