燗冷まし

2013年06月06日

 熟成酒の楽しみ方の一つとして、「燗冷まし」という飲み方があります。
 今回は私なりの燗冷ましの種類と方法について書いてみたいと思います。

 まずは、燗冷ましを推す理由を素人なりに説明します。

 醸造用アルコールや糖類を添加された酒(通称:アル添酒・三増酒)は燗をして後
冷めると、ひどい臭いやべた付く後味がしてとても飲めたものではありません。

 しかし、熟成酒の真の美味さを知るには「燗冷まし」こそがベストだと私は考えています。

 その理由は燗をつける温度に因るのですが、
熟成酒は上燗(45℃前後)や熱燗(50℃前後)で最もおいしくなる傾向があります。
しかし、その温度帯だと揮発したアルコール成分の影響で熱いまま口を付けると複雑な熟成
が感じにくくなります。また、旨味や甘みは温度が高いと舌が感知しにくくなります。

 そこで、一度燗を付けて温度を上げた酒をあえて40℃以下に冷まして旨味・甘み・そして香り(仄かですが)を楽しむのが「燗冷まし」なのです。


 続いては、そのバリエーションの紹介です。

 40℃~37℃くらいで料理と一緒に酒の旨味・甘みを楽しみたい時には

 杯に注いで待つ:これが一番です。自分好みの温度帯をちびちび呑みながら探せるのが
            利点ですし、料理屋さんでも出来ます。

 徳利から片口に
    移して待つ
:多人数に「燗冷まし」を振る舞いたい時にきっちり全員分の温度を調節
          できますし、ちょっと粋な片口を手に入れたときなどは話の種にもなります。

 
 すごく急いで冷ましたい時や原酒を20℃以下にまで冷やしたい時は

 氷水を入れたワインクーラーや
 深い器に徳利を入れて強引に冷やす


 :すぐ冷えるので人肌くらい冷ましたい時は注意が必要です。度数の高い原酒オン・ザ・
  ロックや冷酒
で飲む時にはあえて燗を付けてから「燗冷まし」にすると抜群に美味くなり
  ます。夏場のお勧めの飲み方です。


日本酒に馴染みの無い方は燗酒よりもひや(常温)や冷酒を好まれるのですが、「燗冷まし」
はそんな方々を驚かせる飲み方だと思います。まだ未経験方はぜひお試し下さい。





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