秋鹿 山田錦精米80% 純米火入れ 原酒:その1

浜太郎

2010年06月18日 09:29

 さて、いよいよ「秋鹿」の最終報告です。

 しかし、この酒のことを語る前に「秋鹿酒造」について説明します。
 
 この酒の特徴である低精白・高酸度・低アミノ酸度という魔法が成立する上で
 原料米の大阪・能勢産山田錦がどのようにして作られているのかが重要だからです。

 1.大阪府能勢(のせ)町

 「のせ?あ~はい、はい。めっちゃ田舎やで。」大阪に住む義弟の嫁(泉州出身)に
 「能勢って知ってる?」と尋ねた時の返事でした。

 沖縄にいると大阪=都会で田畑なぞ皆無な印象ですが、あるんですね田舎が。
 グーグルで検索すると大阪北部の京都と兵庫に挟まれた所で、周りは山・・・山・・・
 JRも通ってません。能勢町はそんなど田舎な山間の町です。

 2.山田錦の自家栽培

 秋鹿酒造は明治19年の創業以来、自営田で米作りを行っていたそうですが、安定して
 高品質の山田錦を入手することが難しいことから、昭和60年(1985)に初めて山田錦の
 自家栽培
に取り組んだそうです。

 そして平成3年(1991)には栽培面積が1町歩(3000坪)を超え、ついに全量自営田で栽
 培した山田錦で「純米大吟醸 一貫造り」が造られたのです。

 3.秋鹿山田錦栽培会

 翌年(1992)、地元能勢の農家17軒と「秋鹿山田錦栽培会」を発足させます。

 現在では約40軒近くになった契約農家に蔵元自らが育てた苗(疎植・無肥料)を提供し、
 通常よりも間隔を広く取っての田植え・低農薬栽培(自営田は無農薬・無肥料)を行ってい
 るそうです。

 4.能勢産山田錦

 収穫量を抑えることで強い稲を作り、肥料を与えないことで稲を苛め、その結果、米のたん
 ぱく質が少なくなり
酒のアミノ酸(雑味の元と言われています)を減らすことができる。

 能勢産山田錦は普通では考えられない栽培方法で作られた酒米なのです。

 そして、秋鹿の酒は全てその米で醸されているのです。
 その2に続く・・・

 (参考:「世界一旨い日本酒」古川修、おおさかやHP)
 

 
 

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