1月のとある日、
私:「そろそろ値段も落ち着いてきたことだし、カニでも注文する?」
妻:「
う~ん・・・あのねぇ、あたしの人生のカニの許容量はもうイッパイみたい。」
(
佐々木倫子著:
「HEAVEN」の元牛丼屋の店長の台詞のパクりですが)
私:「・・・あ、そう・・・じゃあ今年は無しね」
元々、大の海老好きで「
甘エビ・伊勢海老・車海老、しんじょに天ぷら・えびふりぁー」♪
と歌まで歌える妻でしたが、カニには大して興味は無かったようで
蟹缶ですら興奮する私を冷めた目で見ていたものでした。
ところが、10年ほど前に初めて生ズワイガニを茹でて食べたのですが、
一発でその甘みと旨味の虜になって「
カニ!うまいっす!」
と
転びカニ派に転身したのでした。
それからは、年に1回の贅沢で、「
釧路屋」があった頃は
毛蟹@釧路屋
無くなってからは、ズワイガニを取り寄せて自宅で
カニカニNIGHTを行っていたのです。
転びカニ派が戻り海老蔵(カニに浮気していたがやっぱりエビフライが好き!と海老に
舞い戻る)
な妻に見捨てられた私は一人でカニを食べるわけにもいかず、カニ好きな
仲間が見つかるまで暫らく自宅カニはお預けだなぁ思っていました。
・・・それから数週間経った2月の中旬。我が家でいつものように近所のKさんを招いて
宴会を催したのですが、その時にKさんが改まって
Kさん:
「あの~浜太郎さんにお願いがあるんですけど・・・」
私:(ちょっと緊張して)「は、っはいっ!なんでしょうか?」
Kさん:「
実はですね・・・M子さん(妻のことです)
は許容量がイッパイになったらしいんです
けど私はですね全然イッパイになってないんですよ。」
最初は何のことだか理解出来なかったのですが、ここでようやく話が見えました。
Kさん:「
カニをですね、注文して欲しいんです!私はここ何年もカニを食べてないんです!
美味しいカニが食べたいんです!」
(
カニ~~というKさんの心の叫びが聞こえました)
私:(事情が呑み込めたので)「お安い御用です。毛蟹がいいっすか?ズワイですか?」
Kさん:
「ズ・ワ・イ、がいいですぅ」
私:「ズワイは到着日が指定できませんけど・・・いいですか?」
Kさん:
「はい!それでもズワイがいいです」
私:「ミソは毛蟹の方が旨いっすよ」
Kさん:
「でも、ズワイがいいです」
(なぜ、毛蟹に誘導しようとしているかというと、到着日とお互いのスケジュールが合わなくて
延期になるのを恐れたからからなのです)
私:「解りました。ではなんとか休みの日に到着するように天気に祈りましょう」
(よくズワイを注文している業者さんは、朝、セリで買ったカニを茹でてすぐに送ってくれる
のですが、海が荒れると漁が行われないので、到着日の指定が難しいのです)
後で妻から聞いたところによりますと、Kさんは昨年末から妻に会うたびに
「
カニ・カニ・カニ・カニ・カニ・カニ・カニ・カニ、カニが食べた~い!」と
叫んでいたそうです。
温泉旅行後のお互いのスケジュールが会う日、ということで17OR18日ということに
決まりました。
数量を決める段階で
戻り海老蔵の妻はそんな我々の会話を横目に酒を呑みつつ
「
あたしはちょっとでいいわ。えびふりゃ~のほうがいいし。」と控えめな発言。
それではと、中型を2杯と翌日のカニチャーハン用に紅ズワイを1杯注文することにしました。