燗酒って?(お燗の種類)

2010年02月17日

 自称「燗酒の美味さを沖縄に広める会」の会長ながら、お燗についての詳しい
説明をしていないことにハタっと気付きました。

そこで、今回は温度帯によるお燗の種類と私見ながら酒のタイプ別適温の話です。

まずは、お燗のつけ方。

急いでいる場合は湯飲みや徳利に酒を注いでから電子レンジで加熱する方法が
ありますが、低い温度につけるには慣れが必要です。ターンテーブルが一周したら
取りあえずストップしてその後微調整します。(かえってめんどくさいので私は5酌
以下の時にしかやりません。うまい方法があれば、どなたか教えてください)

一般的なのは湯煎ですね。
やかんかミルクパンに水を入れて湯を沸かします。
沸騰してから徳利を入れてもよいのですが、低い温度につけるには水の段階から
入れて、加熱したほうが失敗が少ないと思います。
温度の確認は温度計があれば簡単ですが、普通は徳利をお湯から持ち上げて
底の部分を指先で触って確かめます。熟練者は酒の膨張の度合いを見て狙った
温度につけられるそうです。(私はまだダメです)

次に温度帯別の呼び名です。

日向燗(30℃近辺の温度帯)・・・一度もやったことがありません。

人肌燗(35℃近辺)・・・私は38℃位まで人肌燗といってます。

徳利の底がほんのり暖かい感じから少し熱いかなと感じるくらいです。中の酒は
気持ち暖まったかなという感じです。個人的には雑味や臭いなど酒の良くない所が
ハッキリ出てくる温度帯
だと思います。また、旨味も顔を出しますので初めての
銘柄はまずこれにしてから、どこまで温度を上げるか決めます。
純米大吟醸や線の細い純米吟醸、ひや(常温)でも美味しいがもすこし旨味が
欲しいなと思った酒に向いていると思います。

ぬる燗(40℃近辺)・・・私は40~42℃をぬる燗といってます。

徳利の底が熱いシャワーの水温くらいです。中の酒は指に触れると気持ちのよい
暖かさ、杯に注ぐと丁度人肌くらいのぬるさになります。やさしい香りと旨味や甘み
がハッキリ出てきて個人的には好きな温度帯です。
しっかりした純米大吟醸や純米吟醸、熟成酒、綺麗な造りの純米酒等、ほとんど
の酒に向いていると思います。外で燗を頼むときにはまず、ぬる燗にしてもらって
から次に温度を上げるか下げるか考えています。

上燗(45℃近辺)・・・私は43~45℃を上燗といってます。

ぬる燗の時より気持ち熱めにします。お湯から上げた直後だと少し蒸発したアル
コールが気になるので、杯に注いで後しばらく待ってから飲むと良いと思います。
派手な香りはほとんど無くなり、旨味がぐんと前に出てきます。アルコールが苦手な
人もこれの燗冷ましは飲めると思います。ただし、派手な造りの酒だと???と
美味くもなんとも無くなってしまいます。ちょっと硬いかなと感じる純米吟醸や純米酒、
生もとや山廃などの酸味が強い酒、熟成酒そして少し辛いかなと思う酒に向いてる
と思います。

熱燗(50℃近辺)・・・燗をつけていてちょっと油断をするといっちゃいます。

中の酒に細かな気泡がちょっと見えて、徳利の底が「あっつ~」、徳利本体も長くは
持てないくらい、中の酒も直後は熱くてあまり味がしません。それをしばらく冷まして
から飲む
と、ちゃんと醸した酒はあら不思議、旨味だけがしっかりと残ってクイクイと
いけます。飲みすぎに注意!酸味がかなり強い酒、お燗用に造られた純米酒などに
向いていると思います。

飛びきり燗(55℃近辺)・・・まだやったことがありません。

常温熟成の本を書いた古川氏は60℃位でもしっかりした酒はバランスが崩れないと
言っているが、「神亀」か熟成中の「開運」で試してみようと思っています。

{上記のお燗の分類は「純米酒を極める」 上原 浩 著(光文社新書)より}

長々と書き連ねましたが、冷酒やひやで「硬いな」「物足りないな」
「いまいち美味しくないなぁ」と感じる酒がありましたら、低い温度から徐々に
上げていって自分好みのお燗を見つけて下さい。特に食事と一緒に日本酒を
呑むのなら燗酒はお勧めです。酒も食事も共に美味しくなります。

また、お燗の温度は季節や体調によって好みは変化すると思うので、今回挙げたのは
あくまでも私の好みです。大切なことは、おいしい日本酒を楽しく呑む
それだけです。



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